鹿児島県枕崎市編
かつお節の一大産地の枕崎市
だしソムリエアカデミーの新企画「全国ご当地だし巡り」。全国にはその土地ならではの食文化があり、そこにはだしの文化も切り離せないそれぞれのものがあります。そこで本企画では、毎回一つの地域を取り上げて、ご当地の出汁をご紹介。さらにここで紹介する商品を購入いただくこともできるようにしていきます。
さて、初回は、鹿児島県枕崎市です。枕崎といえば、かつお節の日本の一大産地としてとても有名。街に入ると町中がかつおを燻す良い香りに包まれています。
かつお節は、日本ではここ枕崎市をはじめ、鹿児島県指宿市、静岡県焼津市が有名で、その3箇所でほぼ9割以上のかつお節を生産しています。日本人にとって「かつおだし」はあまりにもメジャーな存在。かつお節の良さはなんといってもその味と香りです。
良質な魚肉を煮た後に煙で燻すことで、香ばしい香になります。そして、そのなかから一部のかつお節はカビをつけて熟成させることで、脂分が分解され、さらに芳醇な香りとうま味が凝縮された本枯節になります。
本枯節は高級であるがゆえに、普段使いにはちょっとハードル高い。
でもぜひ一度は味わっていただきたいのが本枯節です。
枕崎から豊富なかつお節商品を届ける中原水産
今回ご紹介するのは、だしソムリエアカデミーの法人会員でもある枕崎市の中原水産さんです。中原水産の中原社長は自ら「だし男(Mr.Dashi)」と名乗り、かつお節と出汁の普及を目指し、商品を販売する側で自らだし教室の先生として活動し、いまでは全国のみならず世界中から中原さんの授業を受けにくるほどの人気となっています。
だしソムリエアカデミーでは、中原さんに枕崎らしいかつお節の商品を詰め合わせた商品を作って欲しいとリクエストしまして、今回特別な詰め合わせをご用意させていただきました。
中原 晋司
中原水産株式会社 代表取締役(3代目)。
かつお節生産量日本一の鹿児島県枕崎市生まれ。
高校卒業後は東京での大学・会社勤めを経て、2008年に鹿児島に帰郷。
家業のかつお節屋(中原水産)で、2011年に新ブランド「かつ市(かついち)」を立ち上げ、長期熟成のかつお節を練り込んだ「かつおせんべい」やだしパックなどのかつお節加工品の開発・販売を開始する。
また、枕崎や日本全国・世界各地でかつおだしの引き方教室を開催し、鹿児島の民間企業と「出汁の王国・鹿児島プロジェクト」を立ち上げるなど、「おだし」による地域活性化に注力している。
今回はだしソムリエアカデミー用に特別詰め合わせセットをご用意いただきました
疲れた体に染みる「茶節」
枕崎ならではのかつお節の食し方としては「茶節」というものが有名です。これは、麦味噌とかつお節を合わせたところに緑茶を入れて溶いて、かつお節を濾すことなく全部いただくというものです。疲れたときや病中病後の療養の他、二日酔いの時などにも飲まれています。そんな地元ならではの伝統食を手軽に1回分づつ小分けにした商品がまずは入っています。
緑茶の粉末が味噌に練り込まれている袋と、本枯節のかつお節のミニパックがセットになっています。これをお椀に入れて、熱いお湯をかけるだけで完成。何のコツも要らずにできました。これは便利。
一口味わってみますと。
緑茶の渋みとうま味が麦味噌の甘味とうま味と相まって独特なバランスに。かつお節から出るうま味と香りを楽しみながら、かつお節そのものも一緒に食べてしまう。
何の具材もいれていないのに、これだけで一杯のお椀として完成しているように感じました。これは体に染みますね。鹿児島は知覧茶というお茶の産地としても有名ですので、ご当地ならではのいただき方なのだろうなと思いました。
香り高い本枯節のフレッシュパック
次の商品は、本枯節を使ったフレッシュパックです。普通スーパーなどで売っているフレッシュパックは荒節がほとんどです。本枯節はカビつけして熟成したかつお節なので香りとうま味が芳醇です。それが手軽なパックになっているので、本格的な味わいを楽しむことができます。
今回は、冷奴にかけてみました。醤油をかけていただいてみたところ、口の中いっぱいに本枯節の上品な香りが広がって、とても贅沢で満足度の高い料理を楽しめました。8袋入りなので、いろいろと料理にかけて楽しめそうです。
ささっとかける本枯れの粉
次は本枯節の粉!粉になっているので、これは何にでも使いやすそう。なにより本枯の粉というのは珍しいです。さっそく試してみましょう。今回はチャーハンにかけてみました。
シンプルな卵チャーハンに本枯の粉を入れて、塩コショウ、醤油で味付けしました。本枯の粉は炒めるときにスプーン1杯入れて、出来上がったチャーハンにも上からたっぷりかけました。
かつお節が入ると、香りがとてもよくなり、しかもうま味がプラスされるので、余計な調味料を加える必要がありませんでした。これは手軽で美味しいですね。ささっとうま味をプラスできるので、食卓に常設していろんな料理にかけてみたくなりました。
だしとり不要の粉末だし
ちゃんとだし取りするのは、毎日はなかなか大変。かといって顆粒だしというのも・・というときにおすすめなのが、こちらの粉末だし。鰹と昆布が粉になっていて、味噌汁などにいれるだけで濾す必要もなく出汁が取れてしまう優れもの。
さっそくだしをとってみました。鍋底に粉末が溜まりますが、口当たりが悪いわけではないので、粉末ごと食べられてしまいます。栄養価も上がって一石二鳥。忙しい毎日に便利な一品ですね。ちゃんとおいしい味噌汁ができあがりました。調理時間がぐっと短縮できて良いですね。